変形性足関節症
1 変形性足関節症の症状
足関節、いわゆる足首に痛みが生じます。とくに軟骨のすり減っている部分に疼痛があり、歩行時に強くなります。女性に多く、日本では多くが内果(うちくるぶし)側の関節面から変形します。変形が進行すると、外観上も足関節が内反(内側に傾くこと)や外反(外側に傾くこと)していきます。
2 変形性足関節症の原因
足関節周辺の骨折や、感染性足関節炎に伴って生じることがあります。明らかな原因のない場合もありますが、この場合には足関節が不安定な(ゆるい)人に生じることが多くあります。
3 変形性足関節症の診断
診断は上記の症状がある場合、レントゲン写真を撮って確定します。 はじめは関節の隙間が狭くなったり(軟骨の厚さが薄くなる)、軟骨下骨が硬くなったり(骨硬化)します。進行すると関節の中や周囲に異常な骨組織(骨棘)が形成されたり、骨の空洞(骨嚢胞)ができたりします。最終的には体重がかかる部分(荷重部)の関節軟骨は消失し、その下にある軟骨下骨が露出します。
4 変形性足関節症の予防と治療
本症と診断されたらまず負担を減らして大事に使うことが大切です。一度すり減ってしまった軟骨はもとには戻らないため、それ以上変性が進まないように心掛ける必要があります。荷重部位を移動させるために足底挿板(靴の中敷き)を使用したり、サポーター装具を用いたりします。足関節に痛み止めや炎症止めの注射をすることもあります。
これらの保存療法でも症状がとれない場合は手術療法を考えます。初期の場合であれば、滑膜切除術や骨棘切除術、靭帯再建術などを行います。変形が進行した場合には、下位脛骨骨切り術(脛骨を切り、関節の傾きを矯正して固定する方法)や足関節固定術(ひどい変形でなければ関節鏡を用いて、ひどい変形の場合には関節を切開して足関節を動かないよう固定する方法)、人工足関節置換術などを考えます。当院では年齢と病期、活動性などを考慮して適応を総合的に決定しています。
関節に関しての疑問・質問等ありましたらお気軽に当院医師にご相談ください。